原因不明の火傷のような跡とかゆみ。その犯人は、必ずしも虫やウイルスだけとは限りません。私たちの身の回りにある、ありふれた植物や化学物質が原因で起こる「接触皮膚炎」、いわゆる「かぶれ」も、同様の症状を引き起こす可能性があるのです。接触皮膚炎は、原因となる物質が皮膚に直接触れることで、アレルギー反応や刺激反応として炎症が起こる病気です。症状は、赤みやかゆみ、小さなブツブツが主ですが、反応が強く出た場合には、火傷のようにただれたり、大きな水ぶくれ(水疱)を形成したりすることもあります。原因としてまず考えられるのが「植物」です。最も有名なのがウルシですが、公園や野山に自生するハゼノキや、観葉植物として人気のギンナン、プリムラなども、人によっては強いかぶれを引き起こすことがあります。植物の汁や樹液、葉の表面の細かい毛などが皮膚に付着し、数時間から数日後に、激しいかゆみを伴う発疹や水ぶくれが現れます。特に、野外活動や庭仕事の後で症状が出た場合は、何らかの植物に触れた可能性を疑うべきです。次に、「化学物質」によるかぶれも考えられます。化粧品やシャンプー、ヘアカラー剤、塗り薬、湿布、あるいは金属アクセサリー(ニッケルやクロムなど)、ゴム手袋のラテックス、洗剤や消毒液など、原因となる物質は多岐にわたります。これらの物質が肌に合わないと、触れた部分にくっきりと境界線のある形で、火傷のような症状が出ることがあります。もし、特定の製品を使い始めてから症状が出た、あるいは特定の作業をした後に症状が出た、といった心当たりがあれば、それが原因である可能性が高いでしょう。やけど虫や帯状疱疹と異なり、接触皮膚炎は原因物質との接触を断ち、適切な治療を行えば、比較的速やかに改善します。しかし、原因が特定できないと、知らず知らずのうちに接触を繰り返し、症状が慢性化してしまうことも少なくありません。原因不明の皮膚トラブルに悩んだら、最近自分の肌に触れたものをリストアップし、皮膚科医に相談することが、解決への近道となります。
かぶれも原因?火傷みたいな水ぶくれ