ねずみ駆除を決意し、いざグッズを買いに行くと、その種類の多さに驚くことでしょう。しかし、手軽で便利に見える駆除グッズにも、それぞれ一長一短があり、使い方を誤ると効果がなかったり、思わぬトラブルを招いたりすることもあります。グッズを選ぶ前に、その真実と注意点をしっかりと理解しておきましょう。近年、人気を集めているのが「超音波発生器」です。コンセントに差すだけで、ねずみが嫌がる超音波を発して追い払うという手軽さが魅力です。しかし、その効果については専門家の間でも意見が分かれています。確かに、設置直後は効果が見られることもありますが、賢いねずみはすぐにその音に慣れてしまい、効果がなくなるケースが多いのです。また、超音波は壁や家具などの障害物を通り抜けられないため、効果が及ぶ範囲は非常に限定的です。あくまで補助的な予防策と考えるべきでしょう。強力な駆除方法である「毒餌(殺鼠剤)」にも、大きな注意点があります。それは、ペットや小さなお子様による誤食のリスクです。設置場所には細心の注意を払い、絶対に子供やペットの手が届かない場所に置かなければなりません。また、毒餌を食べたねずみが、どこで死ぬか分からないという問題もあります。天井裏や壁の中など、手の届かない場所で死んでしまうと、死骸が腐敗して強烈な異臭を放ったり、ウジ虫が大量発生したりする原因となり、二次被害を引き起こす可能性があります。最も古典的な「粘着シート」も、万能ではありません。非常に警戒心の強いクマネズミなどは、シートを避けて通ったり、体の埃をわざとシートにつけて粘着力を弱めたりすることもあります。そして何より、シートにかかったねずみを生きたまま処理しなければならないという、精神的な負担は想像以上に大きいものです。それぞれのグッズのメリットとデメリット、そしてリスクを正しく理解し、ご自身の家の状況や家族構成に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。