家に出る害虫は、その種類によって、危険度や繁殖力、そして駆除の難易度が大きく異なります。自分で対処できるレベルのものと、迷わずプロに助けを求めるべきものを、正しく見分けることが、安全で効果的な害虫駆-除の第一歩です。まず、「自分でできる」可能性のある害虫です。これは、①直接的な危険性が低い、②繁殖力が比較的穏やか、③発生源が特定しやすい、といった特徴を持つ害虫が当てはまります。例えば、数匹の「クロアリ」の行列、あるいは、壁の隅にいる「足長い蜘蛛(イエユウレイグモ)」、キッチンの「コバエ」などがこれにあたります。これらは、市販のベイト剤(毒餌)や、殺虫スプレー、あるいは清掃と発生源の管理といった、基本的な対策で、ある程度コントロールすることが可能です。衣類を食べる「イガ」や、紙を食べる「シミ」なども、防虫剤の使用や、燻煙剤を焚くことで、個人での対処が可能な範囲と言えるでしょう。一方、「プロに任せるべき」害虫は、①直接的な危険性が高い、②繁殖力が極めて強い、③巣や発生源が特定・駆除困難、といった特徴を持ちます。その筆頭が「スズメバチ」や「アシナガバチ」です。アナフィラキシーショックという命に関わるリスクがあるため、巣の駆除は、絶対に専門家に依頼しなければなりません。次に、「チャバネゴキブリ」です。彼らは驚異的な繁殖力と、薬剤への抵抗性を持ち、巣が家中に分散するため、市販薬だけで根絶するのは極めて困難です。一匹でも見つけたら、プロに相談するのが賢明です。そして、「白蟻(シロアリ)」も、プロの領域です。家の構造材を内側から食い荒らすため、被害の全容を把握し、巣ごと駆除するには、専門的な知識と機材が不可欠です。同様に、「トコジラミ(南京虫)」も、その驚異的な繁殖力と、薬剤抵抗性、そして駆除の難しさから、個人での完全駆除はほぼ不可能とされています。これらの強敵に対して、中途半端な知識で戦いを挑むことは、時間と費用の無駄になるだけでなく、被害をさらに深刻化させてしまう危険性すらあるのです。
自分でできる害虫とプロに任せるべき害虫